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ビッチでいいことなんかないけど、直せるわけでもない

クラブに行ってきた。

DJの友達に誘われて。

 

本当はちょっと気になる子がいたので、その子に会いに行っただけ。

DJの友達は、社交辞令で誘ってくれてた。それは薄々気づいていたけど。

その子に会いたかったし、その日は予定がなくて、寂しくなりそうだったから。

 

六本木のクラブに入って、DJの友達を見つけると、

友達はたくさんの人に囲まれていた。

私がちょっと声をかけると、え、きたんだ、そんな表情をした。

 

とても場違いだった。行った自分が恥ずかしい。

 

いつも飲み会に誘われると

予定が空いていれば行く。

寂しいから、お酒飲んで誰かと一緒にいたい。

 

思い出すたび吐き気がする。

自分の言動。

 

でも私の目的はあの子だ。

どこだ、どこだ。

 

あの子を見つけ、私は絶望した。

あの子の隣には、女の子、だったらまだよかった。

昔、関係を持った男の子がいた。

 

取り返しのつかない過去。

 

1年前、いろんな嫌なことが重なって、

典型的な自暴自棄になっていた。

デートに誘われれば必ず行き、

体の関係も拒まなかった。

 

もともと、性に奔放であることに嫌悪感はなかった。

でも、自分はそのタイプではなかった。

体の関係を持てば情が湧き、翌日は丸一日その人のことで苦しむ。

 

夜の寂しさを紛らわすことと引き換えに、

心身は少しずつ傷つき、

その傷は完全には癒えることはない。

 

かといって誰とでもしていたわけではなく、

しても当たり障りのない人を選んでいたつもりだった。

特に、関係を持つ人は、コミュニティがかぶらないように気をつけていた。

 

それは当時の話。

人間関係は複雑に交差し、変容する。

 

今は、気になる人ができても、

昔関係を持った人の友人だったりする。

世間は狭いのだ。

 

友人が3人いれば、友人の友人を辿っていくと、

世界中の人と繋がれると聞いたことがある。

 

関係を持った人が3人いれば、

こういうことも起こりうるだろう。

 

昔の私を恨む。

でもあの時期に一人で夜を過ごすことはどうしたってできなかった。

 

過去は変えられない。

未来も変えられる気がしない。

 

何の面白みもない、ぬるま湯の未来。

あの子にはもう呆れられて、

特別魅力はないけど、優しい年上の男と付き合うんだ。

誰も私のことを知らない世界に行きたい。

 

頭がぐるぐるして吐き気がする。

 

あいつが私に気づいた。

あの子も私を見る。

あいつがコソコソ、あの子に耳打ちする。

あの子は、驚いた顔をして、こちらを見つめる。

 

ああ、その顔。

相変わらず可愛いな。

もう手に入らないか。

 

「来てたんすね。」あいつが肩をたたく。

「うん、DJの友達が出てて。ていうか2人、知り合いだったんだ。」

 

そんな気まずい顔しないでよ。

絶対、私のこと話してるじゃないか。

「あいつ、前話した年上のセフレ」

とか、そんな趣旨のことを言ったんだろ。

 

っていうか、もっと前から知ってたのかも。

そうだとしたら、そういう目的で私に近づいてきたのかな。

 

ああ、もう2人の声が聞こえない。

 

「タバコ吸ってくるわ。」

そういって、離れようとした。

 

「僕も行く。」

あの子が付いてくる。

 

「結構仲いいの?」

「うん、大学入ってからずっと。今も週3で会いますね。」

 

そうか、ということは

あいつと事が起きた時、もうあいつとこの子は友達だったんだ。

 

友達の話をされない、セフレらしいことだ。

今まで気づかなかったとは。

 

人混みを抜け、タバコに火をつけて。

「一服したら帰ろうかな。友達に挨拶もしたし、明日早いし。」

なんで私はこんなこと、まくし立てて、彼に言っているんだ。

 

「え、早いですね。」

「うん、もう少しいたかったけど。」もうここにいたくない。「また、飲もうね。」

「はい、飲みましょう。」

 

その真意は何。

社交辞令。好意。性欲。

なんだよ。

 

クラブを出た。「くそ。つまんな。」

 

銀杏BOYZ、あの子は綾波レイが好き

この曲のあの子は、どんな気持ちだ。